2014年03月20日Thu [01:07] ルーマニア | 本・雑誌 |読書メモ  

ポルトガル日記1941-1945

ポルトガル日記1941-1945ポルトガル日記1941-1945
ミルチャ・エリアーデ 奥山 倫明

作品社 2014-01-30
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ポルトガル日記だが、ポルトガルが主題ではない。ルーマニア人作家エリアーデが、中立国ポルトガルの大使館文化担当官として赴任していた時の日記で、彼の死後に編集されたものらしい。ラテン系のくには文化人を外交官に任命する習慣があるのだが、ルーマニアもそうか。もっともこの当時のポルトガルはスパイの集積地などとも言われた情報戦の前線であったのだが、ルーマニアの政治抗争から逃避したというところもあった様だ。任期中にサラザールと謁見してサラザールの評伝なども書いている様だが、ポルトガル自体にはさほど関心がなかったみたいで、好きなスペインに度々出かけている。この原著もスペインでスペイン語版として出たものとのこと。今でもそうだろうが、文化人の常としてパリへの憧憬も強く、パリに住まずにインドだのポルトガルなどに滞在する羽目になったことを嘆いている。ポルトガル滞在中に妻を亡くすのだが、妻への思慕が綴られる一方、女性遍歴などもあって、まあラテンの男である。

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2013年04月29日Mon [00:38] ルーマニア | 本・雑誌 |読書メモ  

ルーマニア、遥かなる中世へ

ルーマニア、遥かなる中世へ (KanKanTrip) (Kan Kan Trip)ルーマニア、遥かなる中世へ (KanKanTrip) (Kan Kan Trip)
三尾 章子

書肆侃侃房 2012-11-10
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著者はJTB出版事業局ガイドブック編集部出身で、ルーマニアのガイドブックの担当となってから、ルーマニアに関心を持つ様になったという。「ルーマニアマニア」という著者があるそうだが、この本がそれの改訂版ということは、前著は別にチャウシェスク趣味みたいなディープなマニアものではなく、ただの漫遊ガイドみたいなものか。ドラキュラだの木の教会だの森の修道院だのには全く食指が動かされないのだが、国民の館ツアーだけは行ってみたいな。結局、未だ完成途上のままなのか。柳京ホテルもそのうちツアーで見られるようになるかな。

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2013年03月19日Tue [23:40] ルーマニア | 本・雑誌 |読書メモ  

ルーマニアの変容

ルーマニアの変容 (叢書・ウニベルシタス)ルーマニアの変容 (叢書・ウニベルシタス)
エミール シオラン Emil Cioran

法政大学出版局 2013-02-07
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原著はルーマニア語で1936年だそうだが、底本は2009年のフランス語版らしい。著者がどういう人なのか全く知らなかったのだが、ルーマニア出身で、1937年以降パリに定住し、フランス語で書いてきた思想家らしい。となると、ラジカルな革命論者かと思いきや、ヒトラーを評価し、反ユダヤ主義の批判を受けた人とのこと。ただ、そうしたことはあくまで二義的なものであって、故国ルーマニアに対する屈折した心情がこれでもかこれでもかと繰り広げられている。この本はルーマニアで25歳の時に出した3冊目の著書だそうだが、ここまでやれば本物の「自虐派」である。ルーマニア人の外国人嫌いがそこまで酷いのかどうか分からんが、被支配の歴史と支配欲の葛藤という意味では韓国人のカタルシスに近いものかもしれん。ルーマニアのその後の歴史を鑑みても、著者の杞憂が的を射ていることは否定できないのだが、チャウセスクの様な人物が受け入れられる土壌があったことは窺える。

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2011年07月08日Fri [00:21] ルーマニア | 本・雑誌 |読書メモ  

カルパチアのミューズたち

カルパチアのミューズたち―ルーマニア音楽誌 CDブックカルパチアのミューズたち―ルーマニア音楽誌 CDブック
みや こうせい

未知谷 2011-04
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この著者も一貫して地味なテーマなわりには出版点数が多い人だが、今回はCDブックスという形態。テーマ自体にさほど興味ない以上、収録されている音楽には全く興味が無いし、最近はCDプレーヤーともご無沙汰しているのでCDはパス。一応、音源のライナーノーツなども入っているのだが、本文も200ページ以上あるハードカーバー。例によって、現地の話は70年代とか80年代なのだが、チャウシェスク時代に外国人がウロウロしていて大丈夫だったのかな。しかもトランシルヴァニア。まあチャウシェスクは中国とか北朝鮮とかと仲良かった、というか同類だったから東洋人への偏見はそれほどでもなかったのかも。テーマ的に関口義人と被る部分もあるのだけど、この両者はほとんど接点なさそう。関口の本ではこういう話は紹介されないが、ロマのミュージシャンはかつて奴隷並みの待遇で、ルーマニア人はロマの音楽を認めているのではなく、演奏の出来不出来に非常に厳しく、失敗があれば殴打されたのだという。もっともロマは名実共に奴隷だった時代が長かった訳で、ロマの苗字は奴隷主のハンガリー系の苗字が多いのだという。これはアメリカの黒人と同じパターンであるのだが、みやはロマはそのうち、ルーマニアかハンガリーに同化される運命だとしている。この辺は関口義人は認めないところであろう。

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2010年02月26日Fri [02:07] ルーマニア | 本・雑誌 |読書メモ  

モルドヴァの世界遺産とその修復

モルドヴァの世界遺産とその修復―ルーマニアの中世修道院美術と建築モルドヴァの世界遺産とその修復―ルーマニアの中世修道院美術と建築

西村書店 2009-11
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一部、モルドバ共和国の話もあるが、基本的にルーマニアのモルドヴァ地方の聖堂修復の記録。ユネスコの仲介により、日本の支援が入るようになったは、チャウセスク政権が倒れたからだそうだが、それまでのルーマニアは他の社会主義国家とは違い、宗教を敵視することはなかったので、東側では例外的に聖堂の保存修復が定期的になされており、それが今日まで数多くの宗教史跡が残されている理由なのだという。皮肉にも「社会主義政権」が倒れてからの混乱で、無人化、廃墟化が進み、日本の専門家チームが入った時にも、ルーマニア側の受け入れ機関が混乱しており、明日の食べ物を求めて右往左往している有様だったらしい。しかし、こういう宗教遺産はキリスト教世界が率先して保護にあたるべきだと思うけど、日本も結構太っ腹だな。

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トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行―ルーマニアの古都を歩く (切手紀行シリーズ)トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行―ルーマニアの古都を歩く (切手紀行シリーズ)

彩流社 2009-10
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彩流社の「切手紀行シリーズ」も、第一弾の「タイ編」以降、別の版元からこの著者の本が出たから、もう出ないかなと思ったら、意外な国を舞台に第二弾が出た。しかも、今回はオールカラーの豪華版。切手より、著者撮影の写真がメインに据えられているので、そうなったのだろう。「ルーマニア紀行」ではなく、「トランシルヴァニア/モルダヴィア紀行」となったのも、それが「歴史紀行」であるからと思うが、こうなるとルーマニア一国史だけをカバーしていたのでは間に合わないだろうから、毎回、違う国々の歴史を勉強する労力は切手収集より大変なことであろう。切手があって、歴史を調べるのか、歴史を調べて、切手を集めるのか分からないが、いずれにしても両方に並々ならぬ興味がないと、続かないものである。ということで、両方とも中途半端にしか興味がない私にとって、著者の旅行スタイルが一番気になるのだが、「地球の歩き方」を持っていっているのか。著者クラスだと、観光局タイアップのカメラマン通訳付き大名旅行も可能かと思うが、やはりそれでは旅の醍醐味というものがないのだろう。カップルに被写体をあわせたりするのは何か意味がある様だ。14になる娘がいるとは知らなかった。いずれにしても男のひとり旅には向かない地ということなのだろうか。

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2009年03月24日Tue [00:38] ルーマニア | 本・雑誌 |読書メモ  

羊と樅の木の歌

羊と樅の木の歌―ルーマニア農牧民の生活誌羊と樅の木の歌―ルーマニア農牧民の生活誌
みや こうせい

未知谷 2008-08
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この著者は長くルーマニア・フォークロアをやっている人で、その新刊が出たのかと思ったら、1988年のヤツの再版ですとか、最後になって明かされるので、がっくりきた。たしかに、かりしもEUメンバー国であるルーマニアにおいて、幾ら田舎とはいえ、こんな牧歌的な生活はないだろということは感じていたのだが、その罪滅ぼしではないが、最後にわりと長めの「覚書き」が付いている。著者はその後も、ほぼ毎年、ルーマニアを旅する生活を続けていたみたいで、この本の舞台となったマラムレシュという村にも、最近再訪したらしい。何でもこの村を撮った写真集もルーマニアで出版した様で、おかげで観光客がたくさん来るようになったと、著者は村の功労者になっているらしい。となると、村の素朴さに惹かれていた著者にとっては、喜んでいいのか、悲しんでいいのか微妙なところになるが、著者の「貢献」がなくとも、ルーマニアの農村地帯は、ヨーロッパ人にとって、最後に残された原風景みたいなものがあるらしく、研究者の群れもかなり入り込んでいる様だ。しかし、20年前、革命前の話ということを考慮しても、日本人が、こうした風景に惹かれるのはよく分からん。正に20年前の「フォークロア」といった感じで、ほとんど賛歌と言ってよい内容である。ヨーロッパの「辺境」を賞賛するのも、何かヨーロッパ文明に対する屈折した感情を表している気がしないでもないのだが、その後も20年以上、フィールドワークを続けているというのだから、著者の「愛」はホンモノなのだろう。

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2008年10月19日Sun [01:22] ルーマニア | 本・雑誌 |読書メモ  

ルーマニアを知るための60章

ルーマニアを知るための60章 (エリア・スタディーズ 66)ルーマニアを知るための60章 (エリア・スタディーズ 66)
六鹿 茂夫

明石書店 2007-10
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着々世界制覇に進む「知るための」シリーズ。ブルガリアは「バルカン」で片付けられてしまったのに、ルーマニアは大国扱いか。その辺の明石と見解と編者の見解が一致したのかどうか分からんが、「ルーマニアにはコマネチ、チャウシェスク、ハジの様な世界的有名人がいるが、ブルガリア人で日本で知られているのは琴欧州ただ一人、しかも日本限定」とは可哀そう。たしかに一発変換できるチャウシェスクに対し、ジフコフは自負コフだから完敗だが、ハジより、一応レイソルにもいたことがあるストイチコフの方が日本では有名だろうし、世界的にも格上だ。ハジはルーマニア人ではないなんて記述も気になったが、コマネチも日本ではリアルで「妖精」時代を知っている人より、たけしで知った人の方が多いんではないか。となると、「ヨーグルト」という代名詞を持つブルガリアの方が、首領様のお友達とか、国民的ギャグのネタ元が代名詞のルーマニアよりイメージは上という感じもするが、琴欧州とコマネチでは次元が違いすぎて、どっちが日本文化に貢献しているのかよく分からん。てな話は相変わらず完璧な内容の本なので、どうでもよいのだが、ずっと気になっていたモルドバとハンガリー系のことが整理できて良かった。執筆陣には、みやこうせいとか関口義人といった「文化系」も総動員しているのだが、ブカレスト音大院卒、十和田市立新渡戸記念館館長代理新渡戸常憲というのも気になる。編者もブカレスト大博士とのことだが、これはチャウシェスク時代の話の様で、その辺の思い出話があればもっと良かった。もっとも、エイズとかマンホールのこどもたちの話もないので、そうした過去の遺物より、ルーマニアのイメージアップを第一にしたのかもしれない。ということで、異例にも駐日ルーマニア大使のインタビューまで掲載されているのだが、これが、全然外交官してなくて、もうその辺のオッサンみたいな受け答え。まあそれがルーマニア人の魅力ということなのだろうけど。

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2008年08月28日Thu [23:50] ルーマニア | 映画 |映画感想  

4ヶ月、3週と2日

映画
4ヶ月、3週と2日 デラックス版4ヶ月、3週と2日 デラックス版
アナマリア・マリンカ, ローラ・ヴァシリウ, ヴラド・イヴァノフ, クリスティアン・ムンジウ

ジェネオン エンタテインメント 2008-09-10
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文芸座

長廻しは小津調なのかな。
観る方は辛いけど、少なくとも陳腐ではないな。

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2008年07月21日Mon [01:22] ルーマニア | 本・雑誌 |読書メモ  

ルーマニアの森の修道院

ルーマニアの森の修道院 (私のとっておき)ルーマニアの森の修道院 (私のとっておき)
(2007/09)
Norica Panayota

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この「私のとっておき」シリーズは女性がみつけたカワイイ旅といったコンセプトの様だが、そうなると野郎の読書旅的には楽しめる要素は期待できない。前読んだプラナカンのヤツはそんなに悪くなかったのだが、こちらは、その懸念がズバリ的中したもの。著者が日本人なのか、何人なのか分からぬが、どうも英語を主としている人のようで、ルーマニア系フランス人の連れ合いがいるらしい。ならば、その一緒に世界各地を転々としているという「ルーマニア人」とルーマニアの修道院も旅すれば良いのにと思うのだが、バックパックの一人旅で、しつこいくらい英語が通じねえとわめいているのは見苦しい。これが日本語ネイティブの人が書いたというなら大したものだと思うのだが、この辺は英語習得者独特のアイデンティティなのだろう。ということで、ルーマニアの修道院そのものより、著者の珍道中がメインなので、ブログで十分な話。レイアウトにこだわったのかもしれないが、とにかく文字が小さすぎて読みにくい。写真だけにした方が良かったんじゃないかな。

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2008年05月17日Sat [23:47] ルーマニア | 映画 |映画館で観た映画  

西欧

映画
Occident_big.jpg

EUフィルムデーズ
東京国立近代美術館フィルムセンター大ホール

なんかえらく汚いプリントだったなあ。狙ったわけではないんだろうが。
掴みはいい感じだったのに、人間関係が複雑すぎてよく分からんかった。脚本練りすぎだろ。
しかし、あの「ブラック・ユーモア」はEU的にはマズイんじゃないの。会場もちょっと凍りついたけど。

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2007年03月27日Tue [22:04] ルーマニア | 本・雑誌 |読書メモ  

ルーマニア 

ルーマニア―伝説と素朴な民衆文化と出会う ルーマニア―伝説と素朴な民衆文化と出会う
飯田 辰彦、伊東 ひさし 他 (2006/08)
日経BP企画

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ビジュアル紀行文式ガイドブックの旅名人ブックスもこれで87冊目というから驚く。基本的に秘境系はナシで、近ツリでツアーを出している様なところしか取り上げないのだが、最近はパリやロンドンはもういいやという定年族がルーマニアにまで足を伸ばしているのだろうか。ドラキュラやトランシルヴァニアのハンガリー人、ドイツ人の話は詳しく紹介されていたりするのだが、もちろんロマはロの字も出てこない。お決まりのホテル紹介が巻末にズラッと並べられているのだが、普通の旅行者にとっては重要な項目なのだろう。タイアップしている航空会社はルフトハンザの様で、なるほどこの辺がルーマニアへの「足」となっているのか。昔、「TAROM」というのがバンコクまで来ていて、ヨーロッパへの最安値をアエロフロートと争ってた記憶があるのだが、東欧のかってのナショナル・フラッグが続々と姿を消す中、生き残っているのだろうか。結局私はアエロにしたので、「ソ連邦」の空気を吸うことができたものの、今となってはチャウシェスクの空気を吸った方が貴重だったのではないかという気もする。あの時は北京から離れてすぐ天安門事件だったし、ルーマニア革命もタイミング的に遭遇する可能性があったのだが、のほほんとゴルバチョフ時計を仕入れていたりした。運がいいのか悪いのかよく分からない話だが、NHKアーカイブスで当時のドキュメンタリーを視たりすると、「歴史的現場」に居合わせるということについて考えさせられるものがあった。地下鉄サリンの時も何か高揚するものがあったが、9.11を究極の芸術と「失言」してしまったドイツ人評論家の趣旨も理解できないこともない。フリーターとかニートも頑張って新宿フォークゲリラみたいなことをやってくれないだろうか。

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