2017年02月09日Thu [06:08] 中南米  

コルテスとピサロ

コルテスとピサロ: 遍歴と定住のはざまで生きた征服者 (世界史リブレット人)コルテスとピサロ: 遍歴と定住のはざまで生きた征服者 (世界史リブレット人)
安村 直己

山川出版社 2016-12-02
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山川世界史リブレット人。言わずと知れたアステカとインカの征服者であるが、共に今日では悪行とされているから単体にはならんか。ピサロはペルーで今でも銅像があったりするが、メキシコでコルテスの銅像は考えられないらしい。ピサロも別にペルーで偉人とされている訳でもないのだが、メキシコのアステカほど、インカがペルーのナショナリズムのパーツとなっていることもなく、むしろアタウアルパやマンコ・カパックを英雄化しているエクアドルの方がその傾向は強いかもしれん。ペルーでインカと言えばインカ・コーラだろうし、クラウディオ・ピサロという現代の英雄もいる。

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2016年11月27日Sun [05:23] 中南米  

ラテンアメリカ文学入門

ラテンアメリカ文学入門 - ボルヘス、ガルシア・マルケスから新世代の旗手まで (中公新書)ラテンアメリカ文学入門 - ボルヘス、ガルシア・マルケスから新世代の旗手まで (中公新書)
寺尾 隆吉

中央公論新社 2016-10-19
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最近、マリオ・バルガス・リョサの自伝を訳した人か。読もうと思ったけど、2段組みで500頁くらいあって、フジモリに敗れた1993年の本というから、躊躇してしまった。この新書は200頁くらいで入門だから良い塩梅。カストロが亡くなった日でなんだけど、前半で「魔術的リアリズム」までの流れと、終盤でイザベル・アジェンデやボラーニョの新世代を紹介する以外はキューバを巡ってのラ米文学者バトルロイヤルみたいな話が続く。ラ米にプロレタリア文学が根付かったのも、読み手が非識字で、書き手がブルジョアという致命的な構造があったからかと思うが、その穴をキューバ革命が埋めてきたというところはあったろう。バルガス・リョサのガルシア=マルケスへのパンチ事件やパディージャ事件といった象徴的なバトルがあったのだが、いずれも特権階級文士の政治痴話である。スペイン語は日本語より言語人口が多いのだから、世界的知名度がある作家が専業で食えないというのもおかしな話であるのだが、魔術的リアリズムといった難解な文学がラ米文学の代表となったのも、書き手が大衆のニーズとは別のところで勝負したからである。ラ米作家に多い外交官という職は食い扶持より名声を維持するツールという側面があったのではなかろうか。

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2016年10月02日Sun [02:14] 中南米  

資源国家と民主主義

資源国家と民主主義―ラテンアメリカの挑戦―
名古屋大学出版会(2016-09-07)
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博論もの。ボリビアの大使館で専調していた人らしい。ボリビアとペルーの労働運動の政治参加比較など。前者はよりアクティブで、後者は穏健とも言われるが、それは国の経済に占める資源産業の割合と関係しているのだろう。ペルーは南米で一早く左翼運動が移植された国であるのだが、ボリビアより複合的な国家構成であったが故、その影響力が政治を支配するまでには至らなかった。モラレスが大統領就任後もそのスタイルを変えなかったのは、そうしたモノカルチャー的後ろ盾があるからであろうが、エル・アルトが今や国の政治を左右するほどになっているのか。文字通り、上からの支配であるのだが、空港を押さえられたらどうしようもないだろうし、「下町」の富裕層との微妙な力学は興味深い。

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2016年06月26日Sun [04:25] 中南米  

南米「棄民」政策の実像

南米「棄民」政策の実像 (岩波現代全書)南米「棄民」政策の実像 (岩波現代全書)
遠藤 十亜希

岩波書店 2016-05-19
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アメリカ博論もの。修士以来在米の人で、基本的に英語で日本の南米移民史を紹介したものとみてよい。実際に著者が実地調査はしているなおだろうが、日本の参考史料を「縦を横にする」作業がメインだったと思われる。アメリカ日系人(含ハワイ・カナダ)に関してはアメリカで体系的な研究書があるのだろうが、南米移民史は英語への翻訳は少なかろう。その意味ではタイトルと中身の乖離があるのだが、タイトルは岩波好みか、単に通史では類書との違いが出ないからか。南米と謳っているからかもしれんが、「棄民」では代表的なドミ共の話は無し。またボリビアもほとんどなく、自ずからブラジルとペルーに特化。この辺は単に史料が揃っているからなのかもしれん。フジモリはアメリカ人の興味を惹くだろうが、ペルーで彼がチノかハポネスかで問題になったなんてことがあるのかな。戦時中は一部あったかもしれんが、現在では事実上、チノもハポネスもペルーでは同義であって、フジモリがハポンだといったところで、ああチノの一部ねで終わり。その辺はブラジルとは違う。

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2016年06月09日Thu [00:58] 中南米  

創造か死か

創造か死か――ラテンアメリカに希望を生む革新の5つの鍵創造か死か――ラテンアメリカに希望を生む革新の5つの鍵
アンドレス・オッペンハイマー 渡邉 尚人

明石書店 2016-04-20
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「マイアミ・ヘラルド」のコラムニストでアルゼンチン出身。おそらくユダヤ系だろうが、原文はスペイン語かもしれん。前にも一冊読んでる。英語にせよ西語にせよ、対象がラテンアメリカであることには変わりなく、どうしてラテンアメリカは発展から取り残されるのかというテーマ。その念頭にあるのがアジアであるのだが、日本でも新しい基準値となった世界ランキング。世界ベスト100に東大とかどこやらだけといった事だが、ラテンアメリカ最高はサンパウロ大の200位から250位グループなのだという。「第三世界」を盛ってあるだろう上海交通大のランキングでもUSPは150位台とのことで、ブラジルの東大も現状では大きな差がある様だ。前著ではその辺の教育問題を書いていたのだが、「失敗国家」に問題は教育の機会ではなく、就職の機会である。今回はラテンアメリカ出身の起業家を紹介しているのだが、ドローンやネット認証システムの開発者などがいるものの、数が足りないのか、グアルディオラとかリチャード・ブランソンとかまで加えている。トランプにも会ってインタビューしたそうだが、3度の破産について尋ねると、激怒して話が続かなかったらしい。

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2016年03月16日Wed [03:16] 中南米  

ゲバラの実像

ゲバラの実像 証言から迫る「最期のとき」と生き様ゲバラの実像 証言から迫る「最期のとき」と生き様
平山亜理

朝日新聞出版 2016-02-19
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朝日の夕刊に連載されていたものか。著者はロサンゼルス支局長兼ハバナ支局長とのことで、ハバナに支局があったとは知らなんだが、LA支局の管轄という訳かな。それ以前はラ米全部をサンパウロ支局でカバーしていた時期があったのだが、著者はサンパウロ支局長と兼務していたらしい。国交回復でロスの管轄になったのかもしれんが、LAから直行便でもあるのかな。NYとかワシントンの方が地理的に近いだろうが、忙しいのかもしれん。ハバナ大に社命留学した様だから、常駐でも良さそうに。で、この人はリオデジャネイロの生まれで、エジプト育ちだそうだが、親父はNHK特派員だった平山健太郎か。国籍の留保があればブラジル国籍でもあるな。ゲバラも生きていたら87歳だからエズラ・ヴォーゲルと変わらんな。ゲリラ戦の同志も、首を獲ったCIAも70代とかだから、ガンガンインタビュー取れている。

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2016年02月17日Wed [01:17] 中南米  

ゲバラ100の言葉

ゲバラ 100の言葉ゲバラ 100の言葉
別冊宝島編集部

宝島社 2016-01-22
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宝島のシリーズなのか。角栄とかと同列にされてゲバラがどう思うかは分からんが、まあゲバラ商法の一端。コーラを飲んだり、野球をしているゲバラなどは珍しいが、訪日時に政府の阻止を振り切り広島に行って広島県の担当者に「君たち日本人はアメリカにこれほど残虐な目にあわされて、腹が立たないのか」と言ったというのは当時報道されたのかな。結局、オバマは任期中に来ることはないだろうが、国交正常化で、かつてのゲバラ訪問が足枷にはならなくなったか。シエンフエゴスとのツーショットもあって、親友とされているのだが、カミーロが生きていたら、ゲバラの神格化もフィデルの伝説化もちょっと違って来たんじゃないかな。

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2016年01月12日Tue [02:44] 中南米  

インカの世界を知る

インカの世界を知る (岩波ジュニア新書)インカの世界を知る (岩波ジュニア新書)
木村 秀雄 高野 潤

岩波書店 2015-11-21
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岩波ジュニア。高野潤は写真だけだろうか。執筆はもう一人の東大教授の方か。ボリビアで青年隊の経験があるらしい。インカを銘打っているので、基本的にはその時代の話。現在の国民国家の枠内を超えてのパン・インカの動きは寡聞にして知らんので、ボリビアやペルーで先住民系の大統領が出ても、ナショナル・ヒストリーの枠内での研究が主体となるか。そもそもインカは征服王朝ではなく、帰順により勢力を拡大させていったもので、そうした背景がスペインに味方したところはあるか。インカが統合のシンボルとならないのもそうした事情があるからであろうが、ブラジルやアメリカの様に白人のワナビーに至らないのも、インカの世界が一つの現実的な世界として存在しているからかもしれない。

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2016年01月09日Sat [00:21] 中南米  

ラテンアメリカ1968年論

ラテンアメリカ1968年論ラテンアメリカ1968年論
小倉 英敬

新泉社 2015-11-05
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ペルー大使館公邸で人質となって、ストックホルム・シンドローム的な本を書いた人か。前からそういう傾向だったのかどうかは分からんが、外交官やめて研究者となってからは左翼趣味の本ばかり出している。反グロから始まって、アラブの春から、台湾・香港まで、まるで68年の様な「世界革命連鎖」みたいな事が起きているのだが、最近の68年論がパリや東欧、全共闘とかベトナム反戦くらいまではしかカバーしていないことに不満があった様だ。そこで68年のラ米の「運動」を世界規模で見直すといったコンセプトであるが、大きな事件があったメキシコや人民連合政府が成立したチリ以外にも、革命政権のキューバで何が起きていたかなども。パナマなどあまり知られていない68年もあるが、キューバにしてもパナマにしても、パディージャ、トリホスといったキーパーソンはラ米情勢と大きく関わっている。アルゼンチンもペロ二スタが急進左派に接近するなど、マルクス主義の世界的うねりはラテン・アメリカの地場ナショナリズムを包み込む勢いであった。

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2016年01月04日Mon [02:14] 中南米  

ラテンアメリカ21世紀の社会と女性

ラテンアメリカ 21世紀の社会と女性ラテンアメリカ 21世紀の社会と女性
国本 伊代

新評論 2015-12-03
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1985年、2000年と15年ごとに続編が出るシリーズらしい。15年ひと昔という換算かもしれんが、執筆陣は変わっているのかな。テーマがテーマだから女性がほとんどであるのも必然だがs、それ以前にラ米研究者というか、語学系が絡む分野は女性研究者が男性を凌駕しているか。ラ米の範囲は諸説あるが、ジャマイカが入っているのは非スペイン語圏カリブの代表ということからなのだろうか。ガイアナ、とかTT、スリナムは無い。2段組み横書きぎっしりで、読了するのに時間食ってしまったのだが、どこの国もジェンダーの似た様な問題を抱えているのは分かる。周知の通り、アルゼンチン、ブラジル、チリの南米スリートップABCがいずれも女性大統領を抱くという時代になったのだが、女性就業率では当然トップであると思っていたキューバが域内平均45%より下の30%台であるというのは意外であった。この辺はインフォーマルセクターの少なさなどの問題があるみたいだが、社会福祉が充実していて、給与水準が低いので、就業のモチベーションが低いのだという。差別根絶が宣言された人種問題も開放政策により、海外に親戚が少なく、送金が無い黒人と白人の間にドル格差が生まれ、観光業でも芸能や清掃の仕事に多くの黒人が就いている事が明るみに出て、「ネグリテュード運動」も生まれているらしい。

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2015年11月07日Sat [00:18] 中南米  

われらのアメリカ万華鏡

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われらのアメリカ万華鏡

これも立教大ラテンアメリカ研究所の講義録。380頁もある代物で著書多数の著者だが非売品。受講生は無料配布とのこと。伊高浩昭はチャベス評伝の翻訳でケチがついたみたいだが、ピースボートの講師もこのラテンアメリカ研究所の在外研究員もしているのか。もう9年も続けているそうだが、共同通信定年後に教授職に就いた訳ではないのか。その共同通信入社のいきさつなども語られているのだが、メキシコに行くことを恩師に告げたら、それでは根無し草になると盟友の共同通信社長と引き合わされ入社したのだという。たしかに牧歌的な時代である。ということで、先に入社ではなく、先にラ米があった訳だが、時代は革命の季節で、そのままその観念を引きずってしまっている印象も。最初に警察担当になった記者は権力側に付く様になるそうだが、最初にラ米ではラ米に付くのは必然か。

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2015年11月06日Fri [00:43] 中南米  

ラテンアメリカ 歴史のトルソー

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ラテンアメリカ 歴史のトルソー

ISBNはあるんだけど非売品か。立教大学ラテンアメリカ研究所の受講生には無料配布しているらしい。時期が過ぎたら一般書籍化されるのかもしれんが、元は講義採録なので、受講生の状況にもよるか。公開講座で50年も続いているそうだが、1科目25,000円に登録料が4年で5万円か。無料の講演会の方が面白そうだな。清水先生は「清水塾」も開講している様だが、語学系は無料の勉強会は無さそうだな。

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