2017年09月26日Tue [04:15] 中国  

中国ナショナリズム

中国ナショナリズム - 民族と愛国の近現代史 (中公新書)中国ナショナリズム - 民族と愛国の近現代史 (中公新書)
小野寺 史郎

中央公論新社 2017-06-20
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このテーマの書き手もだんだんと世代交代してきた観はあるのだが、中公新書は博論ものデビューを結構拾い上げている感じ。本来なら博論のダイジェストでも良かったのだろうが、新書という性格から広い入門書にと考えた様だ。単に時間的制約があったからなのかもしれんが、結果、講義録を再構成したみたいで、それが本として成功したという風には見えない。中国ナショナリズムとは今の中国愛国教育の目指す所を指すのか、漢族民族主義を指すのかその定義は無いのだが、それが日本の様な国民国家ナショナリズムに収斂されないことが民族と愛国の二本立てを掲げる所以なのだろう。毛沢東の神格化などは民族文化の伝統と思想政治が融合した結果ではあるのだが、そうしたある種のポピュリズムが機能する様な環境ではない以上、ミニ毛沢東モデルは効力を失ったと言えるのはなかろうか。今後は個人ではなく、中国という旗印に結集するモデルが構築されるのだろうが、それが民族を超えた普遍性持つ未来は幻想の彼方である。

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2017年09月26日Tue [03:49] ソマリア  

ぼくは13歳、任務は自爆テロ。

ぼくは13歳、任務は自爆テロ。: テロと戦争をなくすために必要なことぼくは13歳、任務は自爆テロ。: テロと戦争をなくすために必要なこと
永井 陽右

合同出版 2017-09-01
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新疆のテロは漢族とウイグル族の夢が共有されていないことが原因だから、日本人が間に入って、三者で砂漠の緑化作業をしてテロを無くそうとかの運動を始めて、その筋の専門家から叩かれた人たちか。合同出版デビューもそうした背景が関係しているのか分からんが、大抵の人がよく分かっていないソマリアはともかく、ウィグル人がこの主人公であったら、さすがに袋叩きになるんじゃないかな。高野秀行の評価は分からんが、学生ノリとしては悪くないのかもしれん。

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2017年09月26日Tue [03:39] 米国  

アメリカ帝国の終焉

アメリカ帝国の終焉 勃興するアジアと多極化世界 (講談社現代新書)アメリカ帝国の終焉 勃興するアジアと多極化世界 (講談社現代新書)
進藤 榮一

講談社 2017-02-15
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この人も講談社現代新書でもまだ出番があるのかと思ったのだが、孫崎の力添えがあったらしい。北朝鮮の最期は分からなくなってきたが、中国が支配する世界を見ることなく世を去るのだろうから、勝手なものである。中国の軍備増強も北朝鮮の核開発も騒ぎすぎで、その原因は米国にあるという論理が「あの戦争」は自衛戦争であったと何が違うのか分からんのだが、米国支配をアジアのプレゼンスで終わらせろというのもまた大東亜共栄圏そのものの思想である。違うのはその中心が中国か日本かということだけなのだが、中国の抗日戦争を是とするなら、日本の抗中もまた正当性を持って然るべきであろう。新自由主義を元凶としながら、中国経済を称揚するという矛盾に何も気がついてないのは、実際の現場を体現することが物理的にできないからなのだろうが、黒人人口が9割を占める様になったデトロイトでアメリカ帝国の終焉を確信したのだから、昔から机上のゼロサム・ゲームだけの人だったのだろう。

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2017年09月26日Tue [03:19] ポーランド  

ポーランド ヤノフ村の絵織物

ポーランド ヤノフ村の絵織物: 二重織りの技法と伝統文化が生まれた小さな村を訪ねてポーランド ヤノフ村の絵織物: 二重織りの技法と伝統文化が生まれた小さな村を訪ねて
藤田 泉 秋元 尚子

誠文堂新光社 2017-08-10
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2日続けてポーランド本は初めてだと思うが、これは刺繍本。旧東側の国にはこうした伝統技法が残っているみたいだが、大抵の織り手は出稼ぎで他国に行けない高齢女性である。それは何も今に限ったことではないのだろうが、共産主義の時代も労働者として国家に集約されなかったか、されても時間的制約に余裕があった人たちが継承してきたのだろう。女性の仕事であるという伝統は男女平等の時代でも変わらなかったのだろうが、これからはどれだけ若い世代が伝統文化としてではなく、仕事して継承できるかが鍵となるか。

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2017年09月25日Mon [06:13] 中国  

世界航海史上の先駆者 鄭和

世界航海史上の先駆者 鄭和 (新・人と歴史 拡大版)世界航海史上の先駆者 鄭和 (新・人と歴史 拡大版)
寺田 隆信

清水書院 2017-08-01
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清水書院のこのシリーズ拡大版になったのか。著者は3年前に亡くなっているみたいだし、既出ものを組み合わせて拡大したのかな。元のシリーズは最近も新装版が出てた様な気がするが鄭和は無かったかも。元シリーズと比べて目分量で2倍くらいの厚みはある。最初の版が出た時の中国での鄭和評価は分からんが、中国に鄭和の足跡調査に出かけるという状況ではなかったらしく、80年代に入って、ようやく実現したと喜んでいる。その辺が拡大分なのだろうが、鄭和生誕の地は「未開放」で記念館の館長がまた来てくださいと言われたがもう来れないだろうと感慨深かったらしい。よく分からんが、今では昆明の市街地に組み込まれているみたいだな。鄭和を根拠にアフリカの一部まで中国領だという説があることはあるのだが、マレーシア辺りまではともかく、アフリカまで出てくると、最近の「新植民市主義論」にも繋がるから、糞青クラスでもそこまで言わんか。鄭和がイスラム教徒で宦官であったことは特に問題視されないのだろうけど、「新進学者」の家島彦一がイエメンの古公文書から鄭和のアラビア半島での足跡を裏付けた事は中国に評価されて然るべきなのではないの。。

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2017年09月25日Mon [05:53] 米国  

世界を揺るがすトランプイズム

世界を揺るがすトランプイズム―ビジネスマン、ドナルド・トランプを読み解く世界を揺るがすトランプイズム―ビジネスマン、ドナルド・トランプを読み解く
池上 彰

ホーム社 2017-02-24
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池上さんはトランプ関連の収入が幾らになったのか分からんが、トランプ本は何冊めだろう。トランプ同様そろそろピークが過ぎた感もあるのだが、いたずらにネガキャン食らうことが確実な選挙などには出ず、大学の職もちゃんと確保しているところなどはNHK的堅実さではあるか。トランプのキーポイントは取引にあるというのはテレビで喋ったことなのかな。その点、日本より中国に優位点があるのだろうけど、そうすると、金正恩との応酬だって、取引中であると見なさなくてはいけなくなるのだが、北が望むものとアメリカが望むもののバランスが無い以上、無慈悲な取引中止は有り得る。トランプは日本の米軍駐留費負担を知らなかったという恐ろしい話があるが、北が核で狙うのは日本である、だから日本が北にカネをやって止めさせろとかいうアホな展開になる可能性もある。そうなると似非リベが呼応して、人道援助だの、外交努力だのの大合唱になるだろうけど、それで北が核を止めると思う方ほどもう国民はバカではない。

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2017年09月25日Mon [05:38] ドイツ  

EU盟主・ドイツの失墜

EU盟主・ドイツの失墜 - 英国離脱後の欧州を見る鍵 (中公選書)EU盟主・ドイツの失墜 - 英国離脱後の欧州を見る鍵 (中公選書)
手塚 和彰

中央公論新社 2017-03-08
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中韓の「日本はドイツに習え」に倣っているのか、なぜか左派はドイツは「近隣諸国」から尊敬されていると信じているフシもあるのだが、全然そんな事はありません。だからこそドイツも自分らを持ち上げてくれる中国や韓国へ行けば大きな顔ができるというのもあるが、メルケルの中国朝貢行脚と面白いオチがあったシュレーダーの韓国慰安婦詣でという新旧首相の中韓訪問はその辺が中韓の国力の差を含め如実に現れているか。ドイツ人ジャーナリストがトルコ人労働者に扮して書いたとされる「最底辺」が話題になったこ時、私も昔の日比谷図書館で一気読みした記憶があるのだが、後にゴーストライターを使って、協力者には約束したカネを払わず、虚偽であると潜入先の企業に訴えられたりと、いわくつきの人物になっている。何でも当該著者はその頃、NHKの教育出演のために来日し、私もかすかに視た記憶があるのだが、日本語もペルシャ語もできないのに当時日本に大挙していたイラン人労働者に扮して取材すると意気込んでいたらしい。ドイツ法学者であった著者はその時、当該著者と対峙したそうだが、東京のドイツ大使館の外交官が頭を抱え、あの男は有る事無い事ばかり言っていると著者にストップをかける様協力を願い出たのだとか。日本でもドイツのメディアが日本について有る事無い事ばかり書いているが、ドイツのメディアは元々そんなものだと思うしか無いか。

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2017年09月25日Mon [05:13] ポーランド  

物語ポーランドの歴史

物語 ポーランドの歴史 - 東欧の「大国」の苦難と再生 (中公新書)物語 ポーランドの歴史 - 東欧の「大国」の苦難と再生 (中公新書)
渡辺 克義

中央公論新社 2017-07-19
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なぜかamazonの古代ギリシャ史カテゴリー、ベストセラー1位になっているが、始まりは7世紀から。どんなジャンルにせよ、ポーランド本が一位になるのは快挙か。アンジェイ・ワイダの映画は日本で1位になった事あるかな。意識的に平易な文章をこころがけたのことだが、その辺は上等である。ポーランドが中欧の大国であった時代があったのか、今でも大国と評されているのかは括弧つきの「大国」としてあるので、読者に判断が委ねられるのだが、私は今でも大国派である。現在においても、国史のハイライトはワルシャワ蜂起なのだろうが、リアルの記憶がある「連帯」の方がそそらるれる。ハンガリーがあって、チェコがあって、ようやくポーランドで夢が実現するかといった時だったが、ワルシャワ条約機構軍がワルシャワ侵攻ではシャレにならないので、その後、連帯の分裂があったにせよ、流血の事態を避けた事は民主化ドミノに繋がったと言えよう。そこにCIAの関与があった事は確かなのだろうが、労働運動が主体であったことは学生運動が主体であった中国とは大人の差があった。ワレサは大統領になってから、大きくイメージを下げたが、元々、最近同様の傾向があるアウンサンスーチーの様な英雄の系譜のではないので、庶民風情が庶民に戻っただけなのかもしれん。系譜としては闘士というより、ポピュリズムだったのであろう。

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2017年09月24日Sun [05:51] 中国  

中国の近現代史をどう見るか

中国の近現代史をどう見るか〈シリーズ 中国近現代史 6〉 (岩波新書)中国の近現代史をどう見るか〈シリーズ 中国近現代史 6〉 (岩波新書)
西村 成雄

岩波書店 2017-06-21
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このシリーズは等間隔で出たのかな。この最終巻は遅かった気がするのだが、トリが西村茂雄というのは年輩者の顔を立てたのかな。時系列であった他巻からの連続性はないし、まとめになっているのか、なっていないのか。何かちょっと違う感はある。清末から現在まで一つの歴史として捉える必要性は共産党がその根拠としている版図や革命が関わってくることもあるが、その連続性は今の自民党政権を明治維新まで遡ってみる必要性以上に少ない様な気もする。近現代という時代の括りでそうなっただけたとしても、漢民族が異民族政権を打ち倒した正当性を階級闘争に転化し、異民族の被支配を正当化する作業なのではないかという気もするのである。

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2017年09月24日Sun [05:30] 中東/アラブ  

ジハード主義

ジハード主義――アルカイダからイスラーム国へ (岩波現代全書)ジハード主義――アルカイダからイスラーム国へ (岩波現代全書)
保坂 修司

岩波書店 2017-08-24
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左派系から出すことが多い人なのだが、ポジション的には池内恵に近いんじゃないかな。少なくとも単純な反米や親パレスチナとは一線を画しているし、イスラームが平和な宗教だとも言っていない。イスラーム世界の代弁も啓蒙もしないので、相対化はできている。石油系シンクタンクは国益基本だから、そうなるけど、今の北朝鮮擁護派も体制擁護ではなく、アメリカという基軸で考えるから、矛盾が生じる。著者が指摘する通り、アラブ世界、イスラーム世界の反米は観念的なものであるから、実際の生活ではアメリカを選ぶという人が多い。ジハード主義者はそうした矛盾を突いているのではなく、ジハードの対象にアメリカが収まったからというだけの話である。敵はシーア派でも、共産主義者でも、多神論者でも不信心者でも良かったのだろうが、アフガニスタンで戦った兵士たちの仕事場を新たに見つける必要があったのだという。アフガン・アラブは実際にはアラブ系アフガニスタン人と訳すのが適当なのだそうだが、そもそもが失対事業であったのだから、ホーム・グロウンも、IS兵士の供給源も同じ水脈であるとは言えるだろう。イスラーム法学者や国家の権威などが「神」を超えることなどないのだから、経済的に恵まれていたとしても、鬱積した現世の不満は洗脳に対して脆弱なのである。

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2017年09月23日Sat [05:47] 米国  

列伝アメリカ史

列伝アメリカ史列伝アメリカ史
松尾弌之

大修館書店 2017-06-02
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NHKから研究者に転じて、「世界青年の船」団長をした人なのか。大修館書店はアメリカものも出すんだな。ハードカバーっぽくない内容だけど、大統領以外では、チャップリンやポカホンタス、ベティ・フリーダンなどが入っている。チャップリンは米国籍を取ることは一度も無かったが、アメリカ人として認識されているのは、アメリカが国籍にを重視しない国家であるというのはあるか。イチローくらいだとアメリカ人認識かもしれんが、チャップリンは「アメリカ人」だったら追放されなかったのかという事にもなる。アメリカ人の選出だとキング牧師やレーガンなども入ってくるのだろうけど、ハリエット・タブマンやフランクリン・ルーズベルトの方が歴史性があるか。

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2017年09月23日Sat [05:34] 中国  

日本と中国、もし戦わば

日本と中国、もし戦わば 中国の野望を阻止する「新・日本防衛論」 (SB新書)日本と中国、もし戦わば 中国の野望を阻止する「新・日本防衛論」 (SB新書)
樋口 譲次(編著)

SBクリエイティブ 2017-05-08
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SB新書は消滅するという話があったが、まだやっていたのか。自衛隊陣が集結した軍事ネタは今まであったかな。年代的には皆、冷戦時代に現役だった人たちで、ソ連相手のシュミレーションを繰り返してきたのだろうが、それが中国に応用できるのかは分からん。最大の障壁となるのが米軍がどう動くかが分からないという点だが、ランド研究所が出した尖閣衝突での人民解放軍が5日で自衛隊を鎮圧、米軍不動説について、ランド側に確認をとったところ、シュミレーションの一つとして記者に話したものを記事にされたとの回答を得たらしい。中国ロビー関与も示唆しているが、そうした世論工作も情報戦の一環であるし、尖閣に上陸した日本の右翼活動家が中国公船に逮捕されるという前提からして変だし、その奪還に日本の海保が動くのではなく、自衛隊が攻撃を加えるというのは論理破綻である。そうした筋書きを中国が狙っているという風に考えるべきなのだろう。

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