2017年08月24日Thu [05:05] 東アジア  

日本帝国の崩壊

日本帝国の崩壊――人の移動と地域社会の変動日本帝国の崩壊――人の移動と地域社会の変動
柳沢 遊 倉沢 愛子

慶應義塾大学出版会 2017-07-06
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高橋産業経済研究財団はミネベアの創業者一族のトコかな。そこと慶應の東アジア研と合同で作った研究会らしいけど、柳沢、倉沢は慶應経済の元同僚か。その系統の人たちの集まりの様だ。倉沢愛子はいつものインドネシア仕事なのだが、大陸、ベトナム、朝鮮、そして戦後日本の労働争議と左派色はある。台湾もタイも無いのはミネベアの意向なのかは分からん。タイムリーなのは戦間期、朝鮮人の内地炭鉱労働のがあって、これは左派や「軍艦島」に真っ向から喧嘩売ってるようなもの。考えてみれば、この当時は男たちがいなくて、どこも人手不足であり、かつ増産指令が出ている訳だから、内地から朝鮮にリクルートして連れてきた労働者は貴重な存在である。朝鮮人にとっても、内地で稼ぐことにメリットがあった訳だから、そこに植民地という非対称性があったとしても、ウィンウィンであり、だからこそ大勢渡日したのである。ただ、数が多いと、そこには様々な物語が展開されるので、悪徳な手配しにかかるとタコ部屋労働にもなる。それは今のブラック業界も同じなのだが、いずれにしても最大公約数は安易に求めるものではなかろう。

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2017年08月24日Thu [04:39] 中国  

「大国」としての中国

「大国」としての中国「大国」としての中国
加茂具樹

一藝社 2017-06-22
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これも新学期向けテキスト用なのかな。「大国」としての中国なら本国の意向と合致していると思うのだが、王雪萍が諸般の事情に付き不参加となりましたと最初に断っっている。事情は分からんのだけど、こういう事を書くテキストも珍しい。王雪萍と王敏と並んで第一次反日暴動の時に、中国代表で反論していた人なのだが、二人とも、朱建栄事件以降はあまり出てこないな。いわゆる「反中本」とは違うのだが、個人名こそ避けているものの、党とか核心的利益に突っ込んでいるので支障があったのかもしれん。中国人は9人中1人というのはこの手の本にしては少ないか。リトアニア人も1人いて、共産党主導の高度成長を論じているのだが、この辺は探求すべきテーマなのだろう、ただ、加工貿易、開発独裁といったモデルは社会主義とは別の東アジア成長モデルなので、共産党でも自民党でも国民党でも軍事政権でも計画経済には変わらんのである。

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2017年08月23日Wed [05:58] ボリビア  

日本とボリビアの架橋

日本とボリビアの架橋 (ニホントボリビアノカケハシ)日本とボリビアの架橋 (ニホントボリビアノカケハシ)
斎藤 述史

郁朋社 2017-04-18
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育鵬社かと思ったのだが、違うところか。こちらのイクホウシャは自費専門みたいでホムペもレトロ感がある。ボリビアのシニボラ記だが、20年以上前の話。札幌の中学教員だったそうだが、サンフアン移住地の日系学校なので、言葉も標高も無問題。オキナワ移住地が沖縄出身者中心であるのに対し、こちらは九州出身者中心。昭和10年生まれにツッコミ入れるのも何なのだが、日本の今の若者はダメだ、道徳が乱れているという典型をここまで披露してしまうと、逆に清々しいか。現役時代は校内暴力全盛の時代だったと思うのだが、北海道はそんな下衆な中学生はいなかったのだろうか。親を親切にする真面目な子どもはマジと呼ばれ、人気がないというのは、何を誤解しているのか分からんけど、マジはこの年代だと不良語の一種なのかな。最後は小説まで載せているのだが、小説なのに、自分語りの説教調になったりで、社会科教師から理科教師に転じた意味が分かった様な。

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2017年08月23日Wed [05:36] 韓国  

日韓安全保障協力の検証

日韓安全保障協力の検証――冷戦以後の「脅威」をめぐる力学日韓安全保障協力の検証――冷戦以後の「脅威」をめぐる力学
冨樫 あゆみ

亜紀書房 2017-06-24
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博論ものだが、ソウル大学校博士課程ということで、もとは韓国語の様だ。韓国関係は党派性の時代が終わった中国とは逆に、党派性が問われることが多くなった気もするのだが、安全保障分野でこれからどう色を出していくのだろうか。韓国と日本の糸を辛うじて繋いでいるのは安全保障なのだろうが、北朝鮮という脅威が日本と韓国で逆転してしまった今では、その糸は一部保守層や軍部が支えているのだろう。それも米国という共通前提があっての話だが、韓国でマッカーサー像が引き倒される日は近いだろうし、中国の脅威認識にはあれだけ仕打ちを受けても、その気配すら韓国には感じられない。後は日本の経済協力が必要だった時代と同じ状況になれば、変化もあるだろうが、逆に日本がその協力を支えるカネは無い。それこそ、ソウルが火の海になるしか、今後の日韓安全保障協力は担保が得られないのだが、そういうことは韓国では指摘できないだろうな。

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2017年08月22日Tue [06:10] 中国  

日中戦争全史 上・下

日中戦争全史 上巻日中戦争全史 上巻
笠原 十九司

高文研 2017-07-18
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日中戦争全史 下巻日中戦争全史 下巻
笠原 十九司

高文研 2017-07-18
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この著者でこの版元なので、想像通りのものであったのだが、日本側ではなく中国側の視点で断っているので、ある意味確信犯的である。さすがに田中上奏文は見当たらないが、中国の正史に則っている。中国の研究に依拠しているのであるから、それは当然である。別に歴史にタブーはないので、中国側の視点を日本人が伝えるというのも有りだと思う。批判的見地が多少なりともあれば、日本で公正さを獲得できるだろうが、そういった研究のポジションとは別の次元である啓蒙を意図している様だ。当初は「ここが知りたいQ&A」という企画だったそうだが、その種の宣伝は歴史認識の宣伝色が強くなるので、研究書の体裁を整えたといった感じだろうか。

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2017年08月22日Tue [05:55] 中東/アラブ  

帝国の復興と啓蒙の未来

帝国の復興と啓蒙の未来帝国の復興と啓蒙の未来
中田 考

太田出版 2017-07-19
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カリフ制の対立軸としての領域国民国家システム批判はイスラーム世界で正論とされるのだろうが、そのコンセンサスがイスラーム世界でも得られていないのは領域国民国家による利益享受が矛盾を孕んでいないと判断されているからなのだろうか。或いは矛盾が否定できないからこそ、利益享受者がISなり、タリバンなり、カリフ制を標榜する集合体を援助しているのだろうか。そのカリフ制が偽物だとしても、カリフという存在意義は担保しておきたいという一種のノブレスオブリージュ的な行為かもしれないが、それも自身に危害が加わらいという前提においてである。帝国も共産主義も領域国民国家システムを道具としている訳だから、その矛盾には普遍性があると言えるのだが、宗教やイデオロギーの領域争いが現行の国民国家の領域争いより良きものになるとも思えん。

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2017年08月21日Mon [06:05] 米国  

新・日米安保論

新・日米安保論 (集英社新書)新・日米安保論 (集英社新書)
柳澤 協二 伊勢崎 賢治 加藤 朗

集英社 2017-05-17
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柳澤、伊勢崎はお馴染みだが、加藤という人は防衛研究所出身の研究者らしい。自衛隊出ではない様だ。尖閣で米軍は動かないというのは先の本の人と同じだが、こちらは集英社新書なので、だから、米国とは手を切って、中国に従えというもの。伊勢崎などはナショナリズムを訴える人たちも悪いが、護憲派も現実認識ができてないということを一応言ったりしているのだが、柳澤は中国の言うことを聞けというのは胸糞悪いかもしれんけど、大人として現実的にならなくてはならのだと言っている。孫崎と同じで、親中とは違うけど、反米だから、中国に従うしかないということ。そういう主張もありなのかもしれんが、中国もナショナリズムの論理で尖閣を獲りにきているのだから、中国のナショナリズムに従うということにはならんのか。米国に従っているのはプラグマティズムなのだけど。

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2017年08月21日Mon [05:55] 中国  

日本の武器で滅びる中華人民共和国

日本の武器で滅びる中華人民共和国 (講談社+α新書)日本の武器で滅びる中華人民共和国 (講談社+α新書)
兵頭 二十八

講談社 2017-01-20
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よく分からんが、江藤淳の弟子なのか。尖閣に何も配置していない状態なので、中国が上陸して居座れば、もう終わりだのことであるが、灯台を設置した某団体と同じ論理か。日本の武器で滅びるというのはオスプレイでなくても、国産の飛行艇で十分であるとも。つまりは米軍の参戦などは念頭に置いていないのだが、まあ米軍は尖閣事態は動かないという人たちにとっては朗報という訳にはいかんか。軍事関係はよく知らんけど、「中国」という語は使わない主義みたいで、シナか中共で一貫している。中共が国、シナが地理的、民族的呼称になるのか。

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2017年08月20日Sun [00:00] デンマーク  

デンマークの親は子どもを褒めない

デンマークの親は子どもを褒めない 世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方 (新書企画室単行本)デンマークの親は子どもを褒めない 世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方 (新書企画室単行本)
ジェシカ・ジョエル・アレキサンダー 鹿田 昌美

集英社 2017-07-26
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集英社だが、新書企画室単行本って何だろう。集英社新書の企画室が新書ではなく、単行本で出したものなのかな。定価は高くなるが、育児専門書に近いので、新書では出せないと判断したのだろうか。アメリカ人がデンマーク人と結婚して、デンマーク礼賛本というのは前にも有ったような気がするが、「英国一家」の嫁もデンマークだったかな。「世界一幸せ」の指数も色々あって、コロンビアとかが上位に来る自認度とかブータンの勝手世界チャンピオンとか、デンマークは国連のだったかな。つまりは客観的に見てデンマークが一番幸福だということなのであろうが、人口が少なく、国民に教育を満遍なく供給できるという話だと思う。デンマークの親が特別優れているということでもないのだろうけど、国の環境は真似ることはできないから、親の教育がスゴイということをでっち上げるしか無い。

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2017年08月19日Sat [05:15] 東南アジア  

日本とアジアをつなぐ

日本とアジアをつなぐ 法整備支援のすすめ日本とアジアをつなぐ 法整備支援のすすめ
鮎京 正訓

旬報社 2017-07-26
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ベトナム法の人で、法制国際教育が活動の中心らしい。何でも本を出そうと思って、紹介されたのが旬報社で迷ったそうだが、好きな小林研一郎の本を出していたのが決めてだったのだとか。何か言い訳っぽい感じもするが、愛知公立大理事長としては、そうなるのかな。高校時代に文革が始まり、ある日突然漢文の先生が人民服姿で現れ、これからは文革の時代だ!と雄叫びをあげたというのもスゴイ話だが、親父が出征中に清華大学で手術を受けたことがあるらしく、中国にずっと関心を抱いたらしい。後にその場所を訪ねて、現在も生物学教室として使われてたそうなのだが、戦時中は今と同じ場所にあったのかな。大学自体は疎開していたけど、北京大みたいに「偽」は続いていたのだろうか。それはともかく、文革で法も何も無くなったので、ベトナムにしたのだという。その頃は社会主義国法という科目が幾つかの大学にあったそうだが、今の法学部ではどうなんだろう。

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2017年08月19日Sat [04:51] オランダ  

物語オランダの歴史

物語 オランダの歴史 - 大航海時代から「寛容」国家の現代まで (中公新書)物語 オランダの歴史 - 大航海時代から「寛容」国家の現代まで (中公新書)
桜田 美津夫

中央公論新社 2017-05-18
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文春新書の「物語オランダ人」はもう16年前になるのか。これは作者も内容も異なるものなのだが、やはりこの様な真っ当な教科書から始めた方が良いのだろう。先の本はオランダ人への偏見を助長するのはたしかなのだろうが、あまりにも逆出羽守過ぎて、衝撃であった。「多文化共生」の現実がそんなものであることは知っていたのだが、幾らアンネがどうだと言っても、ユダヤ人が根こそぎ連行されたのは、ユダヤ人が管理されていたということでもあるし、オランダの歴史を俯瞰すると、国民国家の試みは常に挫折してきた感もある。寛容であることのジレンマが統合を妨げているのではなく、そもそも寛容であると統合はされない。その意味では日本もインドネシアも根本的価値観まで差し出す必要がなかったということでラッキーではあったのかもしれない。

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2017年08月18日Fri [05:42] 中国  

知識ゼロからのCGで読む三国志の戦い

知識ゼロからのCGで読む三国志の戦い (芽がでるシリーズ)知識ゼロからのCGで読む三国志の戦い (芽がでるシリーズ)
渡邉 義浩

幻冬舎 2017-07-26
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自分が知識ゼロであることの自信はあるのだが、三国志マニアの人はやはりCGから入るのが基本なのかな。昔は横山光輝とか小説好きだったら陳舜臣とか、それより昔だと吉川英治などもあるのだが、今は圧倒的にゲームなのかもしれん。私はゲームもマンガも小説も近現代以前の歴史も全部ダメなので、芽は出なかった。

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