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2019年09月16日Mon [19:18] 中国  

夏目漱石の見た中国

夏目漱石の見た中国 『満韓ところどころ』を読む
西槇偉 平野順也 坂元昌樹 劉静華 屋敷信晴 金貞淑 申福貞 原武哲 李哲権 濱田明
集広舎 (2019-04-08)
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『満韓ところどころ』はポリコレ的には漱石もまた差別主義から逃れていない証左という評価になるんだろうが、中国でも韓国でも、何の因果か日本文学研究の世界に身を投じてしまった者にとって、漱石を否定するのはハードルが高い。特に中国では日文系のテキストに使われることが多いのだが、よく考えてみたら、日本の国語教科書もそうなのだから、漱石作品が日本文学の代表的存在になるのは必然でもある。そうしたこともあり、研究者として日本文学と対峙した場合、漱石の中国観と日本人の中国観のパラレルはよく選ばれているテーマと言ってよかろう。『満韓ところどころ』でやってしまったのは時代の精神であったか、本心であったかは日本人は中国人を侮蔑しているという中国、韓国、左翼の前提とも絡んでくるが、この辺を日本人という属性の問題にしているところに限界はあるのだろう。漱石の頃の文人は漢文にも通じていたから中国に対して少なからずの尊敬の念があったと思われるが、そうした幻想の中国と現実に見た中国とのギャップというところに『満韓ところどころ』の本質があるのだろう。それは「新中国」の現実を見た戦後派にも共通するところがあると思うが、今の中国を「先進国」と捉える人たちにも起こりうることかもしれん。

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2019年09月16日Mon [18:57] 台湾  

ポストコロニアル台湾の日本語作家 

ポストコロニアル台湾の日本語作家 黄霊芝の方法
下岡友加
溪水社 (2019-02-28)
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博論ではなく、日本近代文学から、日本語教師、日本語作家研究という流れの人らしい。中文は台湾に来てからとのことだが、実際、外籍日本語作家研究に外国語は必要かという命題はあろう。黄霊芝は呉建堂の台北歌壇の同人でもあったが、短歌よりも小説、俳句の方に比重があり、こちらは台北俳句会の主宰者。呉濁流も俳句派で、台北俳句会に毎回顔を出していたそうだが、話が長く、結構バトルがあったらしい。こうした日本語族はほぼこの世を去りつつあるが、体制言語である日本語が反体制言語となる中、中文への転向が物理的に可能であった作家がいたからこそ、台湾の日本語文学界が壊滅しなかったという事も言えるのかもしれん。北朝鮮でも将来、帰国者の日本語文学界というものが生まれる可能性はあるか。

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2019年09月14日Sat [18:28] 中国  

中国の領土紛争

中国の領土紛争: 武力行使と妥協の論理
テイラー フレイヴェル
勁草書房
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原著は2008年か。それ以降の尖閣関係などは結論の後にエピローグとして追加されている。ただ、著者の日本語版序文も日付は2015年であり、翻訳が手間取ったのか、尖閣終わったら、ベトナム、フィリピンとコトになったりしたから、時期を待ったのかは分からん。MITの人らしい。中国も海を含め、国境を接するすべての国と領土問題があると言われているが、その前提で言うと、戦争に至ったの稀なケースということになるらしい。ソ連ともインドとも一戦を構えたが、戦争と名の付いているのは中越だけである。もっとも中国はそれも戦争とは認めていないので、中華人民共和国は他国と戦争をしたことがないという理屈も通る訳だが、それ以上に、国境画定交渉という面では世界的にも稀に見る成果をあげた国と言うことはできるのかもしれん。それ故、人民解放軍は実戦力というのも評価しにくくなるのだが、ソ連は無論、インドに関しても当時の国内事情から軍事力で劣っていたという認識があっての撤退であった様だ。朝鮮戦争も台湾も実質撤退であり、ベトナムも事実上敗戦であるからして、抗日戦争神話はその点に於いても欠かせないものではあろう。

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2019年09月14日Sat [18:05] フランス  

フランス現代史

フランス現代史 (岩波新書)
小田中 直樹
岩波書店
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新書は10年以上ぶりなのか。昔ブログを見たことがあったが、ツイッター含めて、その手の発信は最近していないみたいだな。現東北大副理事ということらしいが、それが支障となっている訳ではなかろう。何かしら嫌になった理由があるのかもしれん。ということで、岩波新書なのだが、現代史の起点はレジスタンス。近代史は革命だろうし、フランスと運動は一心同体みたいなもの。、その後に5月革命なんかあったりして、左翼と親和性があるのも当然なのだが、日本も名だけ保守対リベラルだけど、実は左右対立という構図からは早く卒業したいものである。フランスは共和国の理念という共通認識があるのだが、日本にはそれに当たるものがないか。戦後平和も政治的理念という訳でもないし、愛国と平和が対立概念みたいになっているから、訳わからん。

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2019年09月14日Sat [17:40] 中国  

芳華

映画
芳華-Youth- [Blu-ray]
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TCエンタテインメント (2019-10-11)
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早稲田松竹

文工団age
ベトナムdis

これは....

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2019年09月12日Thu [14:48] 中国  

国家統治

国家統治(ガバナンス)―現代中国の歩み
胡 鞍鋼 唐 嘯 楊 竺松 〓 一龍
科学出版社東京
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最近はもっぱら科学出版社東京とか日本僑報社からしか日本語本が出ない胡鞍鋼が何故日本で人気あるのかと言われても?なのだが、それは体制の代弁者であるからではない(キッパリ)と最初に指摘してある。胡鞍鋼が対外的学者の顔であるのはそのキャリアがそうさせているのだが、そういう枷が無い国内的には「進歩派」という顔になるのだろうか。彼が論ずる集団指導制は習近平の傾向とは異なるとしても、今の中国共産党としては集団指導制が原則となっているのだから、習近平が公式にそれを否定した訳でもない。むしろこのガバナンス本にしても、習近平は決して独裁ではありませんよというプロパガンダにも思えるのだが。

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2019年09月12日Thu [14:29] 中東/アラブ  

自己検証・危険地報道 

自己検証・危険地報道 (集英社新書)
安田 純平 危険地報道を考えるジャーナリストの会
集英社
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安田純平の自己検証をジャーナリストの会が検証する訳でもなく、危険地報道の正当性をアピールする場になっている。日本社会が安田を糾弾するから、自分たちは守るという意図であるのは分かるが、ジャーナリストであれば例え仲間であっても報道の正確性に関しては常に疑問を持つべきではなかろうか。政府はウソを付いていて大手メディアは忖度しているが、自分たちは真実だと言われても何が真実なのか、実際に現場で見たことが真実なのかというのもやはりその発信者の信用度、共感性から判断するしかない。その上でプロパガンダが成り立つ訳だが、実際に現場に行き、拘禁までされた人にプロパガンダ性が感じられるとなると、「ジャーナリスト」の信用度がここまで低下したのは何故かという問題も考えなくてはならない。

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2019年09月11日Wed [18:05] 中国  

チャイナスタンダード

チャイナスタンダード 世界を席巻する中国式
朝日新聞国際報道部
朝日新聞出版
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朝日に連載されていたものらしい。チャイスクは峯村健司、吉岡桂子辺りの名前があるが、中国国内というより、世界対象なので、各国支局や特別取材班入りの精鋭が書いている様だ。デスクは国際報道部次長の林。、同ポストの奥寺淳は外されたのかもしれん。最近は中国大使館の中の人が急に「姿」を見せたりして、日文五毛と体制の連携が整ってきた様だが、日本はゼロからスタートできたアフリカやマイナスからの欧州、攻撃の芽を潰されているアメリカなどではなく、モデルはオーストラリア型の世論工作なのかもしれん。その数や割合から言って、日本で「帰化票」が政治を動かすことは無理なのだが、もはや「友好票」が泡沫すら動かせないのだから、「次の次の次の次」の選挙でも浸透作戦は必要ではあろう。ノルウェーの屈服にどれだけ自信を付けたのか、学習したのか分からんが、これも非EUであったことが中国にとって幸いであったのかもしれん。

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2019年09月11日Wed [17:29] イギリス  

よい移民 

よい移民
よい移民
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創元社
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イギリスの移民系作家によるアンソロジー。日本だと、この種のものはほぼ在日朝鮮人作家と同義であったのだが、最近は温又柔が朝鮮人でも欧米人でもないということで、活動をリードしている感じ。英語作家という括りではなく、イギリス(の)文学界という世界はもちろんあるのだが、それこそイングランド系白人男性ノンケ作家という正統マジョリティが成立するのかは怪しい。このアンソロジーの選出基準は分からんが、イギリスだと温又柔とか柳美里などは移民系作家と見なされないかもしれん。基本、「有色人種」作家だけと思われるが、略歴に記載されている中で、旧英植民地以外のルーツがあるのはイランとイラクとイギリスにルーツを持つというブロガーだけか。カズオ・イシグロも作品からして、その系譜には入らないのかもしれん。やはり英国でも差別と偏見が大きなイシューになっているのだが、日本で対立軸となる本国と祖国といった争点は全く見られない。旧植民地で、英国と対立している国はないとか、英連邦であるといった理由はその通りではあるのだが、だからこそ焦点が絞れるという事はあるか。

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2019年09月10日Tue [13:27] アフリカ  

アフリカ安全保障論入門 

アフリカ安全保障論入門 (龍谷大学社会科学研究所叢書第124巻)
落合 雄彦
晃洋書房 (2019-03-10)
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これはたしかに珍しいテーマ。どういう人の入門を想定しているのか分からんが、少なくとも防衛大のテキストには使えるか。実際、アフリカは自衛隊であれば最も海外任務で可能性が高い訳で、欧米や「仮想敵国」の近隣諸国で任務に付くというのは駐在武官くらいではあろう。龍谷大とその辺は結びつかんが、編者が龍谷大らしい。ということでではないが、中国とアフリカ関係は政府も注視しているところだが、韓国とアフリカという章もあったりする。日本のTICADに対抗して中国がアフリカ会議を大々的に始めたことは周知の通りなのだが、韓国もまた同じ様なものを始めたらしい。韓国とアフリカと言えばマダカスカルの農地買い占めの件くらいしか思いつかなかったのだが、日本と同じ経済関係以外にも、中国と類似する問題があって、それが北朝鮮との外交競争。今の政権ではその辺は問題視されなくなっているのかもしれんが、例の銅像ビジネスとの関連もあるが、北朝鮮の軍事教練を受け入れている国が幾つかあり、特にウガンダはアミン時代から北朝鮮がテコ入れしてきた国とのこと。韓国がウガンダに大使館を設置したのは2011年で、14年間空白があったらしい。

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2019年09月10日Tue [13:08] マレーシア  

カラフルなプラナカンの街ペナン&マラッカへ

カラフルなプラナカンの街 ペナン&マラッカへ (旅のヒントBOOK)
丹保 美紀
イカロス出版 (2019-06-27)
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最近は旅のヒントBOOKが立て続け。ペナンとマラッカがセットというには距離的にどうなんだろう。クアラルンプールは別口で来るのかもしれん。日本人のプラナカン研究者第一人者と略歴にあるのだが、地球の歩き方GEMとわたしのとっておきの2冊しかヒットしないな。旅のヒントBOOKが加わればガイドブック系第一人者とはなるかもしれんが。福建語か中国語を話すという記述も気になるが、華語を中国語に置き換えたのか。

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2019年09月09日Mon [15:16] フランス  

語るは涙、聞くは笑いのパリ独り暮らし 



爺キャラは作ってる感がしたのだが、それ以前に時代を感じさせる文章だなと思ったら、平成12年の滞在記なのか。昭和46年自治省入省となると、御年70くらいだろうか。それでも今の基準だと爺でもなかろう。自治体国際化協会は姉妹都市関係とか、視察関係の仕事というイメージがあったが、あのJETもここの管轄だったのか。パリ事務所はあまり出番は無いかもしれんが、英語圏日本界隈で利害関係ある団体になっているかもしれんな。そういった仕事話はほとんどなく、地方自治が専門だと触れる程度。スリ話は地方自治体からの視察団はカモられる事が多かったからなのだろうか。

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