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2019年03月24日Sun [02:46] 中国  

なぜ中国企業は人材の流出をプラスに変えられるのか



これも博論もの。男性かと思ったのだが、女性なんだな。その辺を本人も気にしていたのか、あとがきで女性であると言及している。35歳から研究生活に入ったらしい。中国人はなぜ転職するのかという命題は単に日中の企業文化の違いに留まらず、人類学的議論があるのだが、個々人が転職の自由を行使する、会社はそれを止める術は無いという事は分かっていても、ならばどうせすぐに転職するであろう者に会社はどう対処してるのかという点が分からんポイントではないかと思う。欧米的事由では会社は個々人にスキルを買っているのであって、忠誠を買っているのではないという事になるが、その辺は日本も中国も大前提ではあろう。ただ、中国的事由ではやはり「関係」というものを買っているという部分が大きくて、要は人脈、ひいては客ごと買うという事である。もちろんそうしたケースは日本でよくあるのだが、形だけでも会社に仁義が図られるのに対し、中国のそれは仁義なき戦いである。暖簾貸しに徹する会社は日本でも無いことは無いが、たしかに中国はオーナーが個人を引っ張って来て、好き勝手にやらせるというパターンが多い。

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2019年03月24日Sun [02:22] 東アジア  

東アジアのケーブルテレビ



博論もの。ケーブルテレビ研究は時期を逸した観もあるのだが、地上波やBSよりもネットと親和性がある媒体なので、時代に合っていないという訳でもない。ただ、ただ、ケーブルテレビが民主化に大きな役割を果たした台湾でもその影響力は明らかに低下しているだろう。日台韓のいずれの国も加入率に大差はないというのは意外な感じがしたが、日本も半分近くの世帯が加入しているのか。ただ、その内容には差があって、日本は地域番組の割合が高いという。台湾と韓国は国土的に日本より幅が狭いというのはあるが、地域主義はむしろ日本よりも強い部分があろう。特に韓国はそうなのだが、国土が平坦で都市集中率が高い為、地上波の難視聴地域問題は早くに解消されていたらしい。日本は新聞も地域紙が未だ健在であるし、ケーブルテレビもそうした流れの中で地域性に特化する方に向かったのだろう。

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2019年03月22日Fri [18:50] 中国  

白川静さんに学ぶこれが日本語



白川静の功績を受け継ぐ事業なのか、遺産を食いつぶしているのか分からんが、何冊も白川静本を出している元共同通信の人。今回は珍しくハードカバーなのだが、共同通信の配信連載ものだったらしい。時代は漢字よりも日本語という訳ではなく、白川静自体が元々、国文学者であって、語源研究がそのルーツにあるから、これこそが白川史学である様だ。字源の読みがナ行とダ行の読みの両方にある漢字が多いのは漢字とは関係ない日本語の傾向とのことだが、「君よ憤怒の河を渉れ」の憤怒が「ふんど」と読まれたのも別に中国とは関係なく、永田雅一の間違えを誰も正せなかったからと劉文兵さんが書いていた様な。

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2019年03月22日Fri [18:07] ロシア  

共食いの島



「共産主義黒書」にも書いていた親子2代のソ連研究者らしい。フランス人だが、親はバルト・ドイツ人で、ロシア革命のときに家族でフランスに逃れたとのこと。父親はソ連軍のプラハ侵攻の絶望の中、パリで自死したそうだが、政治的背景があったのかは分からん。タイトル通り、人肉食の話になるが、スターリン時代にシベリアのグラークで起こったこと。絶海の孤島というのではなく、オビ川の中洲の島であり、背景に食糧難があったのはたしかだが、人肉食を行った者たちは他の囚人と比べてみても、格段に痩せこけているという訳でもなく、「犯罪者」の集団であったという。満洲で狼藉を働いたソ連兵もそうしたならず者たちであったとはよく言われるのだが、それが事実なのか、階級神話なのかは分からん。ガダルカナルのケースでは身分的な理由を聞いたことはない。

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2019年03月21日Thu [00:33] 中国  

中国銀河鉄道の旅



本の雑誌もよく続いているな。根強いファンに支えられているのだろうが、連載だったらしい。メタフィクションなのかどうか分からんが、この中国人女性との関係は文面通りで良いのか。ただ、所謂中国人の「関係」のパターンでは普通にある話か。しかし、70過ぎの沢のひとしが劇的に中国語が上達した訳ではないだろうし、途中から深い会話が成立する様になるのはなぜだろう。二人で、コロンス島からマカオから中国の旅をするのだが、コロンス島では広東語しか通じず困ったのだという。ニイハオはネイホウだと寧にも書いているのだが、広東語しか話せない香港人とかが経営していた店ではあるまいし、このハイラルの中国人女性は南方の分からん方言は全て広東語みたいなものだと思っていたんかな。私も南米などで、中国語は分からんとか散々言われたものだが、中国でも普通話が下手だと広東人にされてしまうんかな。もっとも、広州人などは普通話が下手である事がアイデンティティにもなっていて。普通に普通話できるのに、わざと南方風発音にしたりもするんだが。

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2019年03月21日Thu [00:10] 中南米  

ハポネス移民村物語



フェミ系のイメージは無い人なのだが、昔からインパクト出版会御用達だったんだな。例によって韓国人らと一緒のスペイン語圏日系移民文学探訪記。つなりはブラジル以外ということなのだが、スペイン語が理解できるのは通訳兼の外大院生一人という布陣だったらしい。基本的にテーマは日本語文学なので、それで構わんのだが、ドミニカ共和国移民は福田赳夫がトルヒーヨと同じ反共だったからというのは気になる記述。福田が首相に就任する20年くらい前の事なのだが、何か福田が関係しているのか。ニクソンが副大統領だった時、トルヒーヨに日本人移民の有能さを聞かされ、ハイチとの国境地帯に日本人を入植させたそうだが、福田はニクソンが大統領時の首相で、1961年に暗殺されたトルヒーヨと反共同盟を結べるはずもない。

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2019年03月19日Tue [21:53] 中国  

GAFA vs.中国



実際、GAFAが一丸である訳はないし、フェイスブックを筆頭に何処も中国と対決姿勢を表しているのではないのだが、唯一、市場も製造も中国に大きく関わっていたアップルがファーウェイに報復されている形。つまるところ、ファーウェイだけがGAFAの覇権を切り崩せる可能性があったというだけであって、百度やアリババ、微博がGFAにとって代わって世界の覇権を握るかというと、それは難しい。今やビッグデータが産業のコメであるということはたしかであるが、このまま世界と中国の二元世界が続いていくのではなかろうか。むしろ怖いのはスマートシティの様なインフラを握られる覇権の方であろう。

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2019年03月19日Tue [21:30] 東アジア  

漱石と戦争・植民地



漱石の戦争責任もよくある遡及法テーマなのだが、それも漱石が教科書国民作家である以上、逃れられない宿命か。漱石も後世に自分が差別主義者だと弾劾されるなどとは夢にも思わなかったろうが、「満韓ところどころ」だけが集中的に糾弾される中、他にも女性差別も沖縄差別もあるよというもの。フェミ的には「白雪姫」もレイプものらしいので、漱石が無罪である訳ないのだが、沖縄に関しては何も言及しない、無関心というのが罪になるらしい。この辺は無関心こそ最大の差別主義という界隈の論理にも通じるが、関心を持ったら持ったで、植民地主義を認めないと差別主義者になってしまうので、難しいところ。

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2019年03月18日Mon [14:53] 中国  

中国が席巻する世界エネルギー市場リスクとチャンス



日本総研。エネルギー市場の根本にあるのが生存競争であるとしたら、中国にその強みがあるのは当然だと思うが、元来、島国で、生存競争に弱いとされてきた日本が生き残る道はあるのか。石油がキャスティングボートを握った時代は確実に終わりを告げるだろうが、再エネ覇権国の誕生は現実的で無いかもしれん。中国が欲するデファクトは経済力学のみならず、政治力学で決まる部分がまだまだ大きいが、つまるところ米国の強みはその辺にある。市場は席巻しても、それが覇権に繋がらないのは何も中国が「反覇権国家」であるからではない。

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2019年03月18日Mon [14:27] 中東/アラブ  

クルアーン



慶応の世界を読み解く一冊の本というシリーズなのか。元々文字通り一冊の本にまとめられていたものみたいだったが、「せかよむ」とか軽チャー路線でシリーズ化した様だ。武田雅哉の「西遊記」も出ている。セカオワ・ファンが釣られる事は無いと思うが、岩波の「世界」を読む人はお付き合いはちょっと遠慮したいけど、こっちならまあ良いかというのはあるか。先のNZ事件を受けて、イスラームの宗教的普遍性を巡る論戦というかバトルがまた飯山陽・池内組に降り掛かっているみたいだが、やはり、イスラームは異教徒にとって、形而上学的宗教であると捉えた方が良いのかもしれん。理解し、分かり合い、受け入れるというポリコレ・プロセスは結局、一方の屈服を要求しているに過ぎない。それがイスラームであっても、民主主義であっても、正義であっても同じであろう。

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2019年03月18日Mon [14:04] ニカラグア  

人とウミガメの民族誌



博論もの。ニカラグアのミスキートは一時期反政府武装運動で注目を集めていたが、最近はすっかり聞かなくなった。サンディニスタ政権は復活し、オルテガも大統領の座にあるのだが、当初からミスキートも反政府一色では無かったという話も読んだことがある。ただ、ベネズエラ政権を支持する人たちが袋叩きにあっている時代と違うし、実際はどうだったかは分からん。とりあえず、現在は政治より、麻薬の方が戦争要因であって、それはニカラグアに限らず、中米全体に言えることであろう。実のところ、当時もそうであったのかもしれんが。その点、ミスキート漁師のフィールドワークが困難なのか分からんが、あくまで民俗学的研究である。ただ、そうした事情で麻薬が流れ出ている事はあって、見つけたものの所有物になるというルールが存在するらしい。そうなると一攫千金どころの話ではないのだが、下手に関わってしまうと生命の危険もあるので、買取り人を含めて暗黙のルールが決まっているのだろう。

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2019年03月17日Sun [02:38] 台湾  

あなたとともに知る台湾



清水書院の歴史総合パートナーズというシリーズなんだな。清水書院の傾向はつくる会(自由社系)に偏向していると批判されているくらいしか知らんので、少なくとも右側ではないのだろう。胎中千鶴と四方田犬彦嫁を混同していたのだが、こちらは戴国煇の弟子筋らしい。金美齢は戴国煇は共産党員だと言っているのだが、もう亡くなっているので、史明みたいに007並みの告白話をすることはもう無いか。例によって、日本の若者は歴史を知らないといった話から始まるのだけど、テレビでリポーターが流暢な日本語を話すおばあさんにどこで日本語を勉強したんですかと聞いたので憤慨した意識高い学生を褒めるのはどうかな。身内にも日本時代を生きたオバサンがいたが、日本語は聞いてちょっと分かる程度だった。この世代、特に女性が全員日本語を流暢に話せると考えるのも植民地主義であることには変わらない。日本語を流暢に話せる人はそこに教育を受けたというアイデンティティがある訳で、どこで日本語を勉強したのですかと聞くのは間違いではない。女学校の思い出やお世話になった日本人の先生を嬉々として語る人と何人も会ったが、彼女たちが嘆く日本の無知はそうした記憶も植民地主義で一刀両断してしまう無知である。

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