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2019年10月20日Sun [01:56] パキスタン  

現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき。

現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき。
吉岡 乾
創元社
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これはかなり挑戦的なタイトルであろうか。韓国研究者であれば、「韓国に対する愛はないのか!」と、最近は韓国人のみらなず、国内の「リベラル」から総批判されそうなものだが、この著者のフィールドはパキスタンのフンザ。叩く陣営は無いので、ああ大変なところですねと同情されるのが関の山か。読んでみると、著者が嫌いのはパキスタンであって、フンザはバックパッカー的ノリで気に入ってうたのだが、危険地帯となってから、外国人旅行者が減って、代わりにパキスタン人国内旅行者が増えて、フンザの人たちが馬鹿にしていていたパキスタンと同化する様になってからキライになったのだという。私の短い滞在ではそう感じたことはなかったのだが、沈没組からはフンザの人は青い目でヨーロッパ人意識があり、「パキスタン人」を下に見ているという話はよく聞いた。パキスタン人の国内旅行が活発化すたのなら結構な話なのだが、外人女性旅行客目当の輩とかも増えて、フンザの青年にも良からぬ影響を与えているのだという。この辺はバリ島のジャワ人ビーチボーイみたいな話だが、その様なフンザ人は昔はいなかったかというと、そうでもなかろう。

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2019年10月20日Sun [01:39] モンゴル  

史料が語るノモンハン敗戦の真実

史料が語るノモンハン敗戦の真実
阿羅 健一
勉誠出版
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最近、右傾化を糾弾されている勉誠で、著者は南京「歴史修正」系ということで、どうかなというところであろうが、その辺の思想臭は特に感じられない。ポイントは辻政信再評価か。最近もNHKのインパール番組で牟田口と共に「戦犯」糾弾されていたので、その辺の修正も図られたのかもしれん。今日たまたま積録で辻の地元、石川放送製作のドキュを視たのだが、辻の甥の嫁はあんな家に本当に嫁ぐつもりかと実家で言われたらしい。ノモンハンにしてもインパールにしても辻は「戦犯」ではあったが、辻に指揮権があった訳でもなく、上層部が辻に責任を擦り付けているのではないかというのが基本的な線か。

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2019年10月17日Thu [02:21] 東アジア  

古地圖は歴史の証言者 

古地圖は歴史の証言者―大東亜戦争と災害を語る
菊地 正浩
暁印書館
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暁印書館も初見だと思うが、自費系なのか。昭和14年生まれのノンフィクションライター・旅ジャーナリストとのことだが、草思社から出た「戦争と外邦図」というのは読んでいた。ゼンリンの元役員らしい。外邦図関連が多く、前著と被っているのだが、著者のコレクション放出の意味合いもあるのだろう。自虐史観批判とか慰安婦徴用工の疑問などもあるが、これはもう年代的なものというより、日本人の共通認識になりつつあるから、旧字体とか大東亜戦争表記に思想が反映されているという訳でもない様だ。ただ、尖閣や竹島関係で日本の古地図を買い漁る人たちというのは確かにいる様で、その辺の「歴史修正主義者」から古地圖を守っていかなくてはならいという意識があるそうだ。

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2019年10月17日Thu [01:59] フランス  

もっと速く、もっときれいに

もっと速く、もっときれいに: 脱植民地化とフランス文化の再編成
クリスティン ロス
人文書院
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アメリカ人によるフランスのポスコロものの様だ。サルトルとかが反米帝やってたせいで、フランスは反米というかアメリカ嫌いというのが定説にもなっていたりするが、ゴダールなどアメリカの影響を自認する文化人も多くいて、それは脱植民地化という意味合いもあったのではないかということなのか。フランスの植民地問題と言えばアルジェリア問題を指すというのは一定の世代までは常識であるみたいだが、アルジェリアほどフランスの国内問題に現在まで影を落としている植民地は「その他大勢」にはないということか。アルジェリアが独立するならフランスは同等の独立国としてではなく、更にモダンな国民として対峙しなくてはならないというよく分からん観念があった様で、それがアメリカ文化を許容するフランス文化の再編成なのだという。

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2019年10月17日Thu [01:46] 米国  

アメリカ式銃撃テロ対策ハンドブック 

アメリカ式 銃撃テロ対策ハンドブック
小川 和久 西 恭之
近代消防社 (2019-04-07)
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近代消防社か。実際、テロリスクは防災の中でも大きくなっている訳だから、消防隊もその備えは抜かり無いと思うが、テキストはあくまでアメリカ製。オウムも京アニもあったが、銃撃テロは日本では中々想像しにくいか。日本の消防隊とアメリカの消防隊は交流が深いらしく、9.11の時に日本の消防隊だけ、特別に捜索活動に入って、それが3.11のトモダチ作戦に繋がったという話もあるが、近代消防社は「救世主トランプ」なんて本もケント・ギルバート推薦付きで出しているんだな。「天皇陛下と日本消防」はアリだと思うが、「近代消防 2019年3月増刊号 日本の美人50人」というのは何じゃらほい。こちらはデービッド・アトキンソンの推薦。中身をちらっと見れるが、「阪神大震災で日本は変わった」という見出しで、歴代ミス日本などを紹介している様だ。藤原紀香が巻頭かな。

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2019年10月15日Tue [00:53] インド  

ジャータカ物語 

ジャータカ物語
ジャータカ物語
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入澤 崇
本願寺出版社 (2019-03-01)
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「ふくろうの本」とか「とんぼの本」の類かと思ったら本願寺出版社。全く知らんかったが、西本願寺の出版部門だそうで、その歴史は明治5年に遡るのだとか。ジャータカ物語は日本ではおとぎ話扱いだそうだが、ガンダーラ仏教圏では実話として語り継がれてきたとのことで、言わば「聖書」に近いものか。釈迦は実在の人物であることは間違いないとして、その前世の話が実話というのはどう理解すれば良いのだろうか。私という実在も誰か(人間とは限らない)の前世であるのなら、今書いているブログも前世の記録として後世に残るということなのか。

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2019年10月15日Tue [00:36] 米国  

私の沖縄ノート

私の沖縄ノート-戦前・戦中・戦後 (単行本)
照屋 佳男
中央公論新社
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D・H・ロレンスなどを訳している英文学者らしい。昭和11年北谷生まれの戦中派で、内地に暮らしてきた事もあるのだろうが、「オール沖縄」からしてみれば異端扱いかもしれん。タイトルは大江健三郎のアレをもじったものだろうけど、大江批判も展開しており、沖縄を政治の道具としか見てこなかった本土左翼にとっては都合の悪いものであろう。その手の輩がアマレビュに☆一つ付けているのは痛い。日本兵は残忍で米兵はフレンドリーであったという「神話」はアメリカにとって勝ち戦になってからという前提が必要であるというのはその通りではあろう。かといって、保守系にコミットしている人でもないみたいで、学部から名誉教授まで早大に身を置き、早大闘争も復帰運動も経験する中で、色々と思うところがあった様だ。

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2019年10月13日Sun [02:01] ブラジル  

移民と日本人

移民と日本人 ─ブラジル移民110年の歴史から─
深沢 正雪
無明舎出版 (2019-06-08)
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ニッケイ新聞の人。紙の方はまだ発行しているのだろうか。渡伯してパウリスタ新聞研修ということはあしなが研修組なのかな。何冊か出しているけど、こういうテキスト系は初めてかもしれん。南米の日本人の嚆矢をポルトガル商人の奴隷に求める説は今までもあったのだけど、移民史として見た場合、笠戸丸になるから、110年の歴史ということにはなる。「奴隷」の連綿性は否定はできんが。移民史の大きなトピックとして勝ち組負け組とか、デカセギとかもあるのだが、その辺は既に作品にしているので、敢えて外した様だ。代わりに思想史とかカトリック史といった珍しいのがある。

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2019年10月13日Sun [01:34] 米国  

食の実験場アメリカ

食の実験場アメリカ-ファーストフード帝国のゆくえ (中公新書)
鈴木 透
中央公論新社
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「スポーツ国家アメリカ」の人。アメリカ文化史というカテだとカバーする範囲が広いな。誰しもがアメリカの食は評価しないが、世界一影響力があるという意味では政治も軍事も同じなのであるが、先住民を除けば、そもそもが移民が持ち込んだ料理がルーツになるので、ハイブリット的な食の実験場とは言えるか。ピザは原型を留めているが、ハンバーガーはアメリカ生まれと言っても過言でもないので、より帝国性を孕むことになったか。ホットドッグは本当に犬の肉を使っていたという話だが、マックもネズミの肉説があったりするから、せいぜいパイナップルを載せるくらいだけのピサとは実験性のレベルは違う。カリフォルニアロールなどの寿司も様変わりしたが、海苔の裏巻きは元々日本にもあったものらしい。

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2019年10月13日Sun [00:48] 中国  

訓読と漢語の歴史

訓読と漢語の歴史[ものがたり]
福島 直恭
花鳥社
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漢文訓読については最近ラッドの人の炎上案件があったばかりなのだが、1959年生まれの著者だと、その辺も感知しているかどうか。そもそも漢文訓読を中国語と捉えるか、日本語と捉えるかの違いであって、日本語研究者の著者は当然後者であるのだが、漢語は中国語からの外来語という見方。日本語以上に漢語由来が多い朝鮮語でもベトナム語でも漢字表記をしなくなっても、その本質が変わる訳ではないので、漢文訓読を止めたところで、日本語と中国語の縁が切れるということでもない。ラッドの人は帰国子女らしいので、2チャンネルで外国語を切り替えられるのだろうが、土着ロックだと、サビだけカタカナ英語というのが定番ではある。その辺は音の次元の話であるが、漢文訓読が生まれた大きな要因は書の次元であり、そこを絶縁することに大きな支障があることは分かりきった話ではあろう。

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2019年10月10日Thu [11:46] ヨーロッパ  

旅、国境と向き合う 

旅、国境と向き合う
旅、国境と向き合う
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青木 怜子
論創社 (2019-05-30)
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前にも一冊読んだ人だ。国際大学女性連盟元会長というかなりエラいポジションにあった人みたいだが、国連総会日本代表代理なども務めており、海外は年中という仕事だったらしい。そのまとめみたいなものだが、必然的にヨーロッパが中心でオマケとしてインドとか中東、アフリカその他が入っている。東アジアは無し。若い時にローマで芥川比呂志と邂逅した話があるのだが、夜、ホテルの電話がかかってきたとのこと。特にやましい事ではなかった様だ。

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2019年10月10日Thu [11:35] 中国  

蘇州花街散歩

蘇州花街散歩―山塘街の物語
大木 康
汲古書院
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「中国遊里空間」の「姉妹編」という位置づけらしい。「蘇州夜曲」は花街とは関係ない歌詞なのだろうが、河辺と花街の親和性が高いのは何か理由があるのだろうか。新中国、文革、そして今の開発で、花街の痕跡を辿るのは中国では難しくなってきているが、中国文学者は時空を超えるのが仕事であるから、その辺は見事である。妓女に教養が求められていた事は日本と同じであるのだが、詩作も多く残されている点は当時の中国における女性の識字率を考えれば驚くべきところではあろう。今日の共産党的解釈であれば搾取され、奴隷化された階級ということになるんであろうが、生活水準的には女性の平均を上回っていただろう。もちろん妓女内での格差というのも半端なかったとは思うが。

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